本の取り置きルールを決める!お客様への対応はどうする?

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本の取り置きのルールを決めるための考え方です。

明確なルールを決めずにお客様への対応をすることは、恣意的な運用にもなりがちで、

お客様とのトラブルのもとになります。

お客様へのサービスの一環として、「本のお取り置き」というサービスがあります。

こんにちは、じゅんぱ店長(@junpa33)です。

今回の記事は、この「本の取り置き」サービスがテーマです。

「本のお取り置き」は結構、ルール決めが難しいサービス内容です。

アバウトにするか、しっかり作るか、

どちらにしても、視点はお客様サイドで、店側は無用なコストを避けなければいけません。

店長の課題についての記事はこちらになります。

「店長の課題」の記事一覧を開く

取り置きは来店のお客様へのサービス

本の取り置きは来店されるお客様へのサービスです。

言葉の通り、すぐに来店できないお客様に対して、ご希望の本を一時的にキープするサービスです。

お客様がこのサービスを利用するパターンは、

  1. 欲しい本を発売前に予約注文して取り置く「予約取り置き」
  2. お客様の周辺では入手しにくい既刊本を取り寄せて取り置く「注文取り置き」
  3. 店頭並びもある本だがすぐに来店できないために取り敢えずキープしておく「店頭取り置き」
  4. ネット注文で、引き取り先をその店に指定した「ネット注文取り置き」

などが主な取り置きの種類になります。

(4の場合は、その店がネット注文対応店で有ることが前提です。)

地域の書店の利便性にもかかわってくる内容です。

じゅんぱ店長

取り置きのルール作りはどこの作業からの取り決めかというと、基本、取り置きする本や商品が店に入荷してから「どうする」という取り決めですが、

その取り置きする本や商品が、どのような仕入れ条件で入荷したのかによって、その入荷後の取り置きルールを区別する必要があります。

実際問題、この部分で、あやふやな対応をしている書店もあり、逆にお客様からツッコミクレームを入れられるところもあります。

書店のメンタルとしては、本当に、感謝しかないです。

書店に取り置きを依頼してまで本を読みたいというお客様。

わざわざ取り置き依頼してまで足を運んでいただけるお客様には、

販売者側としては、拍手喝采、最上級のありがとうを言わなければなりません。

バーチャル書籍(電子本)では満足できないというお客様が、

リアル店舗のお客様として来店していただいているわけですから。

リアル本を大事に思っていただける方々であるのは間違いありません。

取り置きのルールはこの線で

先ず最初に押えておくことがあります。

取り置きのルールは、全てお客様の都合だけを考えると期間無制限で、途中キャンセルOKというのがベストでしょう。

でも考えてみてください、そんな安直なことで、顧客満足は本当に得られるでしょうか?

一方的に書店側が、すべてのコストを負担するだけでは正常な商取引ではありませんし、そんなことで顧客満足を得られるものではありません。

店員さんにもよく理解していない人(商売感覚のない店員さん)に多い接客対応があります。(安直な言葉で)「じゃあ、こちらで処理しておきます。」

こういう店員さんには、取り置き作業のために働いた時間を、時給換算させてみる必要があります。

相当な時給になると思います。すべて会社・オーナーが支払うコストです。
売上とは一対一対応しないコストです。単なる損金です。
当たり前ですが会社は、店員さんを「損をする」ために雇っているわけではありません。

つい力説してしまいました。

一番最初に取り決めたいのが「いつまで取り置くのか」だと思います。

処理件数の多い大型店では、入荷後1週間というのが一番多いのが線だと思います。確かに、次々と処理して行くためには長くは置いておけないという事でしょう。

返品可能期間を基準にする店では、入荷後1か月という所も多いです。

あと、キャンセルできるかできないか、お客様の失踪事件の場合はどうするのかも決めていきましょう。

悩める君

いろんな場合に分けて説明してください。

ルール作りは取り置き品の仕入れ条件で考える必要があります。

  1. 「予約取り置き」
  2. 「注文取り置き」
  3. 「店頭取り置き」
  4. 「ネット注文取り置き」

の4つのパターンで検討していきましょう。

大同小異的な部分もありますが、ルールを社内外に提示するのには、この方が分かり易いと思います。

仕入れ条件別「取り置き品のお客様対応」

取り置き品を仕入れ時の条件別に考えるというのは、

先ほど説明した通り「キャンセル」によって、売上は無いのにコストだけかかるという場合があるからです。

取り置きの作業でも、人件費はすべてにかかってきますが、さらに+商品仕入れ費用、+ネット取り扱い費用がかかってくる場合がありますので注意が必要です。

1.予約取り置き

特に出版社・取次がその注文に対して商品生産を行う場合、「買い切り品扱い」とうたっている場合です。

この場合はそもそも「取り置き」受付する時に、キャンセル可能という対応はありえないでしょう。理由は言うまでもないでしょう。

この場合、「注文逃げ」(注文だけして所在不明になる事)を防止するためには、

代金先払いで取り置き5年

代金先払いを受けた場合、お客様が引き取りに来られないといつまでも店側の債務が残った状態になりますので、

定期的に引き取り依頼の連絡を取るようにしましょう。

引き取りに来られない場合の債務の「消滅時効」というのもありますが、詳しくは別の専門サイトで確認してください。

2.注文取り置き

注文を受けて出版社や取次から、仕入れた商品を取り置きした場合です。

ここでは発売前商品の注文(「予約取り置き」)と区別しておきます。

発売済み商品の注文の中にも買い切り品などがありますので、その場合は「1.予約取り置き」に準じます。

注意することは、買い切り専門出版社がありますので、お客様から注文を受けるときに同時に出版に確認しましょう。

買い切り商品以外のもので「注文逃げ」の対応のために、返品可能な期間「1か月」をめどに取り置きを行います。

代金は商品引き取り時で、取り置き期間最大1か月

が相応かと思います。

「注文逃げ」があった場合は、期限内返品を行います。

3.店頭取り置き

お店並びの商品を一時的に取り置きする場合です。

基本、常備品の場合が多いと思います。

代金は商品引き取り時で、取り置き期間最大1か月

が相応かと思います。

いつもの本でも、何かのきっかけでバズッたり、人気の特集で突然品薄や品切れになることがあります。

気持ち的には、取り置きでもお客様に早く引き取ってもらいたいところですが、

これは、取り置きしているお客様の方が「確実に手に入った!」という満足感が高まっていますので、

店の方から変に「商品引き取り」を催促すると気分を害されることもありますので注意が必要です。

こういった場合は、同じものを探されている他の来店のお客様から見えない「VIP用ストックヤード」に移しておきましょう。

この場合も取り置き期間は変わらずに1か月です。

「注文逃げ」があった場合は、期限内返品を行います。

「注文逃げ」が取り置き期間内に確定した場合は、店頭戻しや他に探されていたお客様に販売できますが、

販売機会損失は覚悟するしかありません。

VIP用ストックヤード

特に、お偉いさんのお取り置き場所というのではないです。

一般的なケースではありませんが、長期取り置き顧客向けストックスペースです。

特に週刊誌の取り置きの場合にあったりします。

既定の取り置き期間では最大、週刊誌は4~5冊になります。

お客様の中には一度に10冊20冊をまとめ読みしたいという人がいます。マンガ誌に多いです。

もし途中キャンセルされると15冊以上の返品不可品が発生して大変なことになります。

お客様本人も好きでそのように望まれているので、取り置き停止する時は、

それまでのストックを全数引き取り(買い取り)ということで、お互い了解のもと取り置きをしているケースもあります。

(もちろん契約書面を交わすなんてことはありません。ルール公表はしません。お互いの信頼関係で成り立っています。)

4.ネット注文取り置き

棚ぼた的な要素の多い取り置きの形です。

これは全く、注文サイトのルールに従うだけです。

こちら側でルールを決めることはほぼないと思います。

「本のお取り置きルール」まとめ

ルールを一覧表にまとめると、

お取り置きパターン商品代のお支払いお取り置き期間
予約取り置き予約受付時無期限(5年)、最大消滅時効が有効になるまで
注文取り置き(買い切り品)予約受付時無期限(5年)、最大消滅時効が有効になるまで
(委託品)商品お渡し時1か月
店頭取り置き通常扱い商品お渡し時1か月
VIPヤード(内規)商品お渡し時5~6か月
ネット注文取り置きネット取り扱い条件によるネット取り扱い条件による

あくまでも一つの提案ですので、それぞれのお店で加工する必要があります。

ただ、間違いなく言えることはルールがあやふやになっているのなら、オーナー・店長がはっきり明示することが必要です。必ずコストダウンにつながってくるでしょう。

しっかりルール決めして明示した方が、

店員さんもお客様へ説明する時にはっきり伝えることが出来ます。

じゅんぱ店長

蛇足です・・・

GOTO トラベルの話ではないですが、予約を途中キャンセルした場合、旅行代理店は関係する旅行業者の代表として損金請求します。

そのキャンセルでかかった費用をとても「チャラ」にはできないので、国が補填を行うということです。

本の取り置きをキャンセルした。

「それまでかかった費用はキャラにしろ!」「額も少額だからいいだろ!」

そんなことをしているから店舗経営がどんどん悪くなる。

「チャラにする」かどうかを決めるのは「取り置き客」でもないし、ましてや「店従業員」でもありません。

決めるのはルールを作る「オーナー」です。

最後までお読みいただき有難うございました。

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